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いげ皿
とは、明治の終わりから昭和の始め、つまり大正時代をはさんだわずかな期間に、伊万里や美濃などで大量に焼かれた大衆向けの印判皿です。
「いげ」とは佐賀の方言でトゲの意味だそうです。イガ栗のイガと同義語です。皿の縁がギザギザになって鉄釉をかけたものを
いげ皿
といいます。
ただ例外も多く、鉄釉のない白イゲやコバルトがかかった青イゲ、「いげ」が縄のように削られた縄イゲ、また図柄も印判だけでなく、手描きや吹墨といった技法もあります。
大衆的で安価な為か日本の蒐集家には人気がありません。麦飯を食べたくないのと同様に、この皿を使うと貧しい頃を思い出すので嫌だという人もいます。そしてその結果、浮世絵や根付けと同じように、
いげ皿
を含む明治大正の印判が、最近どんどん海外に流出するようになりました。残念なことに
いげ皿
に関する書物は少なく、アリスター・シートンさんの書かれた『
いげ皿
(光芸出版)』ただ一冊と言ってもよいくらいです。
微力ながらこの愛すべき
いげ皿
に光を当て、いつか図録を発行し、実際にいげ皿博物館を建てるつもりです。それまでこの夢を持ち続ける為に、このWEB博物館を開設しました。
いげ皿博物館館長 渡辺景吾